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妄想は心の病気のサイン!?妄想の種類や原因、対応法を知って良い人間関係を築こう!

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あなたの周りに妄想を抱いてしまうタイプの人はいませんか?それが訂正不能で非合理的だったら、心の病気かもしれません。妄想にはどんな種類があるのか、また、妄想に対して周囲の人はどのような対応を取ったらいいのかなどをまとめてみました。

「こっちを見ながらひそひそと話をしている。もしかしたら悪口を言われているのかも知れない」などといった考えに捉われたことはありませんか?その程度の思い込みならば経験している人も多く、思い込みだったと分かると安心することも出来ますよね。

それが「周囲の人から嫌がらせを受けている」「電磁波で攻撃をしてくる」「私は天皇の血縁だ」などという思い込みをし、それを他人が否定しても頑なに聞き入れないようでしたら、病的な妄想かもしれません。妄想は精神疾患により引き起こされる場合が多いです。あなたの大切な人を妄想から救うためにも、妄想について学んでいってみましょう。

目次

「妄想」とは何なのか

妄想とは、非合理的で訂正不能な思い込みのことです。一次妄想と二次妄想というものに分かれています。一次妄想は「私はキリストの生まれ変わりだ」「近所の人たちが電波で攻撃をしてくる」などといった全く根拠のない妄想のことです。
二次妄想とは、「私の病気は不治の病だ」「皆が不幸なのは私のせいなのだ」などといった何かしらの経験と関わりのある妄想のことです。

一次妄想は統合失調症などの病気によく見られ、二次妄想はうつ病などの病気によく見られると言われています。一次妄想は根拠のない妄想と定義付けられていますが、本人なりの理由があることが多いため、本当の意味で全く根拠のない妄想は少ないとも考えられています。そのため、一次妄想と二次妄想の区別は難しいです。

いずれにせよ、事実とは異なった強い思い込みが妄想だと言えるでしょう。

妄想を引き起こす病気

妄想を引き起こす病気はどのようなものがあるのでしょうか。そのほとんどが、精神疾患によるものだと考えられています。代表的な病気に統合失調症があります。その他、うつ病や認知症にも妄想が見られることがあります。

統合失調症

統合失調症とは、神経系が障害される精神疾患です。珍しい病気ではなく、100人に1人が統合失調症だとも言われています。

陽性症状と陰性症状があり、陽性症状は幻聴や妄想を伴います。「あとを付けられている」「見張られている」などといった妄想や、「悪口を言う声が聞こえる」などの幻聴が出現します。
陰性症状は、感情の平坦化や意欲の低下が見られます。感情表現が欠如したり、言葉数が少なくなったりします。また、以前なら楽しんでやっていたことに興味を失ったり、他人との関わりに興味をなくしたりします。

また、話題が次々に変わるなどの解体症状や、認知障害といった、集中力、記憶力、計画能力、整理能力、問題解決能力に問題が出るなどの症状が現れることもあります。集中力の欠如で本が読めなかったり、指示通りに物事が行えないなどです。

うつ病

うつ病とは、ストレスなどが原因で抑うつ気分、興味や喜びの喪失、以前なら楽しんでやっていたことが楽しめなくなるなどの症状が現れる病気です。理由もないのに悲しくなったり、気分が落ち込んだりします。周囲の人に申し訳ないと思う自責感や、死にたいなどといった希死念慮もしばしば出現します。
その他、睡眠障害や倦怠感、食欲低下または増加を伴うことがあります。

そして、「自分は大変な罪を犯してしまった」「きっと不治の病に違いない」などの妄想が現れることもあります。大変な罪と言っても実際は「仕事でミスをしてしまったから自分は死に値する人間だ」などといった些細なことの場合が多いです。

双極性障害(躁うつ病)

双極性障害とは、うつ状態と躁状態が出現する病気です。躁状態になると、気分が高揚したり、多弁、活動力の亢進、または妄想や幻覚などを伴います。そのときの妄想は、「自分はすごい人間だ」などといった誇大妄想と呼ばれる、自分を過剰に評価する妄想の場合が多いです。

双極性障害は、重い躁状態とうつ状態を繰り返す双極Ⅰ型障害と、軽躁状態とうつ状態を繰り返す双極Ⅱ型障害に分けられます。軽躁状態とは、躁状態が4日以上続くが、仕事や人間関係に支障をきたすほどではない状態のことを言います。

躁状態からうつ状態に転じたとき、躁状態のときの行動を酷く後悔して自殺を図る危険性の高い病気でもあります。

認知症

認知症では、昔は痴呆症と呼ばれ、脳の細胞が死んでしまったり、機能が悪くなったりしたために正常に発達した知能が低下する病気です。65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症および認知症予備軍だと言われています。最近では50代でも発症する若年性認知症になるケースも増えてきています。

認知症になると判断力の低下や時間や場所、名前が分からなくなるといった見当識障害、また、妄想や幻覚、暴力や徘徊するなどの精神症状も現れることがあります。認知症に多い妄想が盗害妄想(物盗られ妄想)で、財布やお金をしまった場所を忘れ、盗まれたと思い込みます。その場合、盗んだとする対象は家族など身近な人のことが多いです。

妄想性パーソナリティ障害

妄想性パーソナリティ障害とは、他者への不信感や猜疑心が容易かつ頻繁に生じる精神疾患です。人口の0.5~2.5%が発症すると言われています。

例えば、周囲の人が自分によからぬことを企んでいると思い込んだり、浮気をされていると思い込みやすくなったりします。他人に情報を利用されるのを恐れるあまり、自分の個人情報を教えるのに大きな抵抗感があることもあります。疑い深さと不信感が特徴です。

そういった不信感から、自ら治療を始めようと思うケースは少ないです。しかし、放っておくと統合失調症になることもあるので注意が必要です。

妄想性障害(パラノイア)

妄想性障害(パラノイア)とは、一つまたは複数の誤った思い込みが、少なくとも一ヶ月以上持続している状態のときに診断される病気です。本人が抱く妄想の中には、「恋人に裏切られる」など通常でも起こりうる状況が含まれている場合があります。

症状は一般的に、妄想性パーソナリティ障害よりも重く、統合失調症よりは軽いことが多いです。社会機能が低下していく統合失調症と違い、社会機能は保たれているケースが多く、妄想のみが症状として現れます。統合失調症は「自分は宇宙と交信できる」などの非現実的な妄想を抱くことがあるのに対し、妄想性障害は現実的な妄想を抱きやすいです。

妄想の5つのタイプ

妄想には5つのタイプがあります。「被害型」「誇大型」「嫉妬型」「身体型」「被愛型」と区別されます。身体型や誇大型以外は障害事件などを起こしてしまう危険性もある妄想です。

1、「嫌がらせをされている」と思い込む被害型

「嫌がらせをされている」
「見張られている」
「悪口を言われている」
「陰謀が企てられている」
などといった、自分が被害を受けている妄想が中心です。不満を抱くあまり、近所の人に迷惑行為をしたり裁判所に訴えてしまうケースもあります。

2、「自分には偉大な才能がある」と思い込む誇大型

「自分には偉大な才能がある」
「人類を救う発明をした」
「自分はキリストの生まれ変わりだ」
などといった、自分を誇大化する妄想が中心となります。統合失調症の他、双極性障害の躁状態のときにも見られることがあります。統合失調症では、急性期より慢性期に見られるケースが多いです。

3、「恋人が浮気している」と思い込む嫉妬型

「配偶者(または恋人)が浮気している」
という妄想を抱くタイプです。明らかな証拠がないにもかかわらず、配偶者または恋人が浮気をしていると思い込み、相手がいくら否定しても納得しようとしません。浮気されたと思い込んで恨みや嫉妬を募らせ、傷害事件などを起こすこともあります。

4、「自分は体臭がする」と思い込む身体型

「自分は体臭がする」
「自分は醜くて他人を不快にさせている」
などといった、自分の身体の機能や特性にとらわれた妄想をするタイプです。内科などで検査をし、異常がないと言われても納得しないケースもあります。

5、「自分はある人から愛されている」と思い込む被愛型

「自分は特定の人物から愛されている」
といった、実際はそれほど親しくもないのにその人から好意を寄せられているという妄想を抱きます。ストーカー行為などで妄想の対象となっている人と接触しようとするケースも見られます。

妄想にはどんな種類があるの?

妄想には様々な種類があります。自分が被害を受けていると思い込む「被害妄想」、自分はすごい才能を持っていると思い込む「誇大妄想」、自分を極端に過小評価する「微小妄想」の3種類に分類されます。更に「関係妄想」「血縁妄想」「心気妄想」など、細分化することも出来ます。

統合失調症などに多い「被害妄想」

被害妄想は、統合失調症などに多く見られます。「自分は他人から嫌がらせを受けている」などです。周囲の人とトラブルを起こしやすく、入院治療が必要となることもあります。

迫害妄想

「街ですれ違う人の中に敵がいて、自分を襲おうとしている」
など、より強い被害感を持つのが特徴です。迫害的なイメージを持ち、本人はそれを避けねばならず、緊張を強いられています。そして、自分を追い詰める敵を見つけ出し、反撃の手段に出ることもあります。しかしその「敵」とは実際は本人に何もしていない人であり、傷害事件や殺人事件に発展するケースも見られます。

「通りすがりの人に悪口をいわれる」といった幻聴を伴うこともあります。

関係妄想

自分の周りで起きる出来事の全てが、例え全く関係のないことだとしてもどうしても自分と切り離して考えることが出来なくなってしまう妄想です。「この人がマスクをしているのは自分が臭いせいだ」「品切れなのは誰かが自分に買わせないように買い占めたんだ」と、普通ならば考えられないような事でもエスカレートしてしまいます。

「街を歩いているときに、後ろから笑い声がしたから自分のことを笑っているのだ」といった思い込みは、しばしば普通の人でも見られることがありますが、病的な妄想はそれを断定する状態になります。

注察妄想

「周囲の人にじろじろと見られている」
「監視されている」
などといった、周囲の人から観察されていると思い込む妄想です。常に誰かに見られているという妄想から、自分を見ている人の幻覚を見るケースもあります。注察妄想が自宅内で生じると、監視されているなどといった思い込みを持つことがあります。

こういった妄想により、外を出歩けなくなるケースも少なくありません。

追跡妄想

「自分はあとを付けられている」
「組織から追われている」
など、誰かから追跡されているといった妄想です。「自分は殺される」という妄想にまで至るケースも少なくありません。警察に相談をするといった行動が見られることもあります。

被毒妄想

「この食べ物には毒が入れられている」
など、飲食物や薬に毒を入れられているという妄想です。この場合、封がしてある食事なら摂るといった行動が見られることもあります。栄養失調になる可能性もあるので、適切な治療が必要となります。

盗害妄想

「お金が盗まれた」
といった、自分のものが盗まれたと思う妄想です。認知症の人にも多く見られることがあります。認知症の場合、お金や物をしまった場所を忘れ、盗られたと思い込んでしまうのです。

嫉妬妄想

「恋人に浮気されている」
などといった、配偶者または恋人に浮気されていると思い込む妄想です。誤った推測をし、相手を責め立てます。相手が身の潔白を訴えても、聞き入れようとしません。

双極性障害などに見られる「誇大妄想」

誇大妄想とは、自分を過剰に評価する妄想のことです。双極性障害の躁状態のときに多く見られます。「自分は偉大な人間だ」「自分にはすごい才能がある」などと思い込んでしまいます。

血縁妄想

「自分は天皇の血縁だ」
などと、高い身分の人の血縁関係にあると思い込む妄想です。

宗教妄想

「自分はキリストの生まれ変わりだ」
といった、宗教的な妄想を抱きます。自らに人類を助ける義務があるなどという妄想を抱く場合もあります。

発明妄想

「人類救済のシステムを開発した」
などといった、偉大な発明をしたという妄想を抱きます。

恋愛妄想

「自分は芸能人に愛されている」
など、有名人やそれほど親しくない特定の人物に愛されているといった思い込みを持つ妄想です。しばしば、ストーカー行為に繋がることもあります。

妊娠妄想

「自分は妊娠している」
といった妊娠していると思い込む妄想です。相手は皇太子や異国のピアニストなど、会ったこともない人物のことがあります。想像妊娠と違い、荒唐無稽な話の場合が多いです。

うつ病などに多い「微小妄想」

微小妄想とは、自分の能力や健康、財産などを過小評価する妄想のことです。うつ病などに多く見られます。「自分は不治の病だ」「破産してしまって一家が路頭に迷ってしまう」などの、誇大妄想とは正反対の妄想といえます。

心気妄想

「自分は不治の病にかかっている」
「癌でもう治らない」
など、実際はどこも悪くないのに病気だと思い込む妄想です。病院に行って検査を受ける人もいますが、検査結果に異常がなくても「検査には表れにくい病気なんだ」などと思い込むのが特徴です。

貧困妄想

「貧乏で家族が困窮している」
「借金があって大変だ」
などと、事実はそうではないのに、自分が貧乏だと思ってしまう妄想です。貯金があっても貧乏だと思い込むケースが多いです。

罪行妄想

「自分は周囲や家族に悪いことをした」
「自分は生きていると他人に迷惑をかける」
などといった、自分自身を過度に責め込み、罪だと思ってしまう妄想です。罪行妄想が強いと、自殺念慮や自殺希図を持つ場合もあるので注意が必要です。

その他の妄想

上記のどれにも分類されない妄想に、「憑依妄想」「醜形妄想」などがあります。「自分は霊に憑依されている」などがその代表例です。

憑依妄想

「自分は霊にとりつかれている」
などといった、霊や悪魔に憑依されているという妄想です。お祓いや除霊などで対処しようとすることもありますが、効果が現れないのが特徴です。

身体醜形の妄想

自分の身体の姿形がおかしいと感じてしまう妄想です。常に「自分は醜いのではないか」という恐怖心にかり立てられてしまいます。周りから見ればおかしい所は無いのに本人にとってはどうしても許し難いのです。ですが、それを改善したとしても決して納得は出来ず終始、その妄想に縛られてしまいます。

妄想の原因は?

妄想を引き起こしてしまう原因とは一体何なのでしょうか。現在有力説だとされているのは、「ドーパミン神経の過剰な活動」と「精神的ダメージから心を守るための本能的行動」です。

ドーパミン神経の過活動

脳の中には、ドーパミンという快楽物質があります。そのドーパミン神経が過活動することによって、妄想を抱くのではないかと言われています。そのため、統合失調症などにはドーパミン遮断薬である抗精神病薬を処方することがあり、その治療が効果あることから、ドーパミン神経が関係していると考えられます。

精神的ダメージを回避するために心が働かせる「安全装置」

妄想は、戦争や災害の被災者、また凶悪事件の被害者などにも見られることがあります。これは、現実から逃避することで精神的ダメージを回避していると考えられています。統合失調症などでも、過度なストレスが精神を破壊しないようにしていると思われます。いわば、心が安全装置を働かせているのです。

しかし、この安全装置は病的なものによるので、適切な治療が必要です。安全装置であるため、治療の際に本人が強い抵抗感を示すことが少なくありません。辛い現実に引き戻されることを、心が拒否するのです。それでも治療することにより、生活しやすい環境に変えることが出来るでしょう。

妄想を持つことで起きる弊害

妄想を持つことで、大きな弊害が起こります。妄想を抱いている人は異常な行動をとりがちなので、周囲に疎まれて孤立したり、攻撃されたりする危険性があります。社会に置いて孤立するということは、精神的ダメージを負い、社会復帰後も苦労をしてしまう可能性が高いです。周囲の人が離れていくことで、疎外感や不安感を覚え、更に病気を悪化させることもあります。

妄想の治療法は薬物療法が中心

妄想に対する治療法は薬物療法が中心です。ドーパミンを遮断する作用のある抗精神病薬を用いることが多いです。代表的な抗精神病薬には、
・セロクエル
・ジプレキサ
・リスパダール
・エビリファイ
などがあります。うつ病による妄想の場合にも、抗精神病薬が処方されることがあります。

その他、カウンセリングなどの精神療法を用いることもありますが、妄想を抱いている人は不信感が強いので、医師やカウンセラーとの信頼関係を築くことが重要になります。しかし、ふとしたきっかけでカウンセラーなどに対しても妄想を抱くことが懸念されるので、治療は困難を極めます。薬物療法で症状を緩和しつつ、進めていくことが大切です。

周りはどうやって対応したらいい?

周囲の人はどうやって対応したらいいのか、非常に難しい問題だと思います。妄想を「それは違うよ」と否定したくなるでしょう。しかしそこはぐっとこらえ、見守っていくスタンスをとるのが必要となってきます。

否定も肯定もしない

妄想を訂正するのは、不可能だと言えるでしょう。なので、「それは事実とは異なる」と説得をしても無意味です。そればかりか、分かってもらえないと心を閉ざしてしまう可能性も高いです。心を閉ざしてしまうと、治療にも支障をきたす可能性があります。

なので、「そう思って辛いんだね」と「辛い」という感情に焦点を当て、否定をしないようにしてあげましょう。誰かに追われているなどの妄想があれば、「こっちで調べてみるね」と安心させることも重要です。特定の人物に対して被害妄想を抱いている場合は、その人物から遠ざけてあげるのも有効です。

「それは妄想だ」と指摘するのは最もNGです。周囲の人は妄想を聞くことによってストレスとなったりするでしょうが、妄想を抱いている本人も辛いのだということを忘れずにいましょう。

また、「あなたがそう思うなら本当だね」などと肯定するのもNGです。あなたも賛同してくれるのならそうに違いないと、妄想への確信を深めさせる要因となります。

現実と妄想の区別をさせるようにする

不安から、色々と連想して考えたりしてしまったことを現実だと思い込んでいる人には、「~と思った」と語尾に付けて考えさせたり話すようにさせる方法もあります。「悪口を言われている」ではなく「悪口を言われていると思う」と付け足させることで、現実と妄想の区別を付けさせ、自分が思っているだけという認識を持たせてあげるのです。

ただし、この方法は自身が妄想を持っているというある程度の自覚が必要でないと有効でない可能性もあります。

心を満たしてあげる

人には、4つの幸せがあります。それは、
・人に愛される
・人に褒められる
・人の役に立つ
・人に必要とされる
です。その「人に愛される」「人に褒められる」「人に必要とされる」を満たしてあげることによって、心も満たされ、病状が改善されることがあります。辛い気持ちや不安な気持ちに寄り添ってあげ、温かい言葉をかけてあげましょう。また、妄想について根掘り葉掘り聞くのもNGです。妄想を深めてしまう要因となります。

役割を与えてあげる

妄想を抱いている人に対して、何か役割を与えてあげるのも有効だとされています。家族、または社会の一員であることを認識させるのです。何も役割を与えられていないのは、必要とされていないことと同じと考えてしまう傾向があるからです。

人には、何かをしてもらったらお返しをしてあげたいという心理が働きます。なので、例えば認知症の人が介護されるだけの状態になったとき、お返しを出来ない自責の念が生まれ、そこから妄想を抱くケースが見られます。なので、昔話を聞いたり、昔の遊びを教えてもらったりするといいでしょう。

話題を逸らす

本人が妄想にとらわれて苦しんでいるときは、話題を逸らしてあげるのもいいでしょう。妄想をいつまでも「辛いよね」と聞きすぎてしまうと、本人はその考えにとらわれてしまい、気持ちが切り替えられなくなります。なので、話題を逸らしてあげることによって、気持ちも他のことに向き、一時的に妄想から逃れることが出来るかもしれません。

自分が被害妄想を持っていると思ったら

中には、自身が「被害妄想を持ちやすい」と自覚している人もいるかと思います。それが病的なものにせよ、性格的なものにせよ、治していくことが社会生活や人間関係を築くにあたって必要となるでしょう。

まずは、自分が被害妄想を抱いていると気付くことが一番となります。気付くことで、被害妄想を治す大きな一歩となるでしょう。

被害妄想を抱くのは、その現象に対して深く思い込む力が強いと言えるでしょう。思い込む力は強いのに、確認する力が不足しているので、「自分は悪口を言われている」などといった妄想を抱いてしまうのです。そのため、確認作業を行う必要があります。

また、悪い情報によって自尊心をなくしている場合、憶測で危害を加えている相手を決め付けてしまいます。よく分からないことに対して、自分で「あの人から嫌われているからだ」などと理由付けをしてしまうのです。

いずれにせよ、確認作業をすることが重要となってきます。そのための具体的な方法として、紙に被害妄想を抱いた状況やタイミング、理由を書き出す方法があります。紙に書くことで考えが整理され、自分の思考の矛盾に気付くことがあります。

一番は、病気を治療することが大切

上記の通り、妄想は精神疾患によるもののことが多いです。社会生活を営み、健やかな人間関係を築くためにも治療は必要となります。統合失調症やうつ病の場合には妄想以外の症状が現れていると思うので、その辛さを改善するためにも精神科などを受診しましょう。

統合失調症の治療法

統合失調症には妄想や幻聴を抑える抗精神病薬での治療が中心となります。不安や抑うつ感、無気力感、不眠などが出現することもあるので、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬などを補助的に用います。また、園芸や料理などの軽作業を通して、生活機能の回復を図る作業療法やリハビリテーションなどが行われることもあります。

再発が多い病気なので、自身の判断で服薬を中止しないことが大切です。

うつ病の治療法

うつ病の治療にも薬物療法が有効とされています。抗うつ薬を中心に処方します。その他、症状に応じて、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬を用います。そして、充分な休養を取ることも大切だとされています。仕事や家事が気になって休めないという場合は、入院をした方がいいと判断される場合もあります。

その他、考え方の偏りを治し柔軟な考え方にするように訓練する、認知行動療法などの精神療法も用いられることがあります。

双極性障害(躁うつ病)の治療法

双極性障害には、気分安定薬といった種類の薬での治療が中心となります。また、躁の状態を抑えるのに抗精神病薬を用いたり、重度のうつが見られる場合には抗うつ薬を併用することもあります。また、心理教育といった本人が病気について学習し、正しい理解と知識を得る治療や、家族の病気の理解を深め、本人と家族が協力し合って病気を治していくための家族療法が用いられる場合もあります。

双極性障害も再発しやすい病気なので、生活リズムなどに気を付けながら、症状が治まってもしばらく薬を飲み続ける必要があります。

認知症の治療法

認知症の進行を遅くする薬や、妄想などが見受けられる場合には抗精神病薬を用います。また、発表会などの目的に向かって練習などをするといったリハビリテーションを用いることも多いです。楽しんで生活を送ってもらうのが目的です。家族によるケアも重要です。叱りつけないで辛抱強く接してあげることが大切となります。

完治は難しい病気ですが、治療やケアを行うことで進行を遅らせたり症状を緩和することが出来るとされています。

強度な他人への不信感への治療法

自分以外の人間を信用出来なくなる障害の事を妄想性パーソナリティ障害と言います。この人は自分に悪意を持っていて騙そうとしているのではないか。嘘をついているのではないか等です。その妄想は身内や信頼出来る友人にでも起こってしまうものです。
治療には精神科での心理療法が良いとされています。本人の心を縛っている、自分以外の人間への恐怖感、嫌悪感を緩和していく事が重要となります。ただし、不信感を抱きやすい病気なので、医師やカウンセラーとの信頼関係を築くことが重要となります。

薬物療法を用いるかは症状の程度によって違いますが、被害妄想が強くなっているときには抗精神病薬、不安感が認められる場合には抗不安薬などを用います。

妄想性障害の治療法

妄想性障害の治療には困難を極める場合が少なくありません。病識を持っていることが少ないため、なかなかスムーズに治療へと至らないのです。また、薬物療法として抗精神病薬を用いることがありますが、統合失調症より効きが悪いとの報告もあります。

心理療法を用いるときは、妄想性パーソナリティ障害同様、医師やカウンセラーとの信頼関係が大切となります。
妄想性障害から重度の精神疾患になることは少ないと言われており、社会生活を送ったままでいられるなど予後も悪いものではありません。

まとめ

いかがでしたか?妄想は、訂正不能なので治すのがなかなか難しい症状です。傷害事件などに発展するケースもある恐ろしいものです。しかし、妄想の症状を引き起こす統合失調症やうつ病も、適切な治療を施せば改善されることが多いです。抗精神病薬には、妄想を抑える効果だけではなく、再発を予防する効果もあるとされています。指示通りに服薬し、治療を受けることで、本人も周囲の人も楽に生きられるようになるでしょう。

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-心理

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