口臭は誰でも気をつけていることでしょう。しかし、口臭は口の中だけでなく、胃や腸の不調も原因になるため、日々の生活習慣も影響を受けているのです。ストレスによる口臭や、朝食なしによる胃からの口臭、コーヒーによる口臭。普段何気なしに行っている行動や社会環境によっても、口臭は引き起こされてしまっています。ここでは、口臭の原因物質、仕組みを説明するとともに、11の口臭予防方法を徹底解説します。
口臭を予防したい!人との距離を気にせずに
口臭は、誰にでも起きてしまう病気です。どんなに歯磨きをしていても、体調が悪ければ口臭は引き起こされますし、もちろん歯磨きをしなければ、口の中は汚れ、細菌が繁殖します。また、中には口臭が心配で、人との距離をとりながら会話をしたり、口を押さえながら会話をする人もいるようです。
本記事では、そんな口臭を気になっている、予防してみたい、会話などの人との距離を気にせず生活したい人のために、口臭予防のために、口臭の原因物質、口臭チェック、口臭対策などについて解説します。
口臭について<社会問題にまで発展>
口臭は、ただ単に口からでる嫌な臭いだと思っていませんか。口臭は、イジメや社会問題になる可能性もあるほどの症状です。まずは、口臭の仕組みを理解しつつ、口臭の時間における推移や人間関係について理解してもらい、それ以降の口臭予防方法の解説に入りたいと思います。
口臭とは、口から出る嫌な臭い
口臭とは、口から出る嫌な臭いの総称です。呼吸をしたり、おしゃべりをするとき、誰でも口から息が出てきますが、この息のニオイが不快と感じられるなら、それは口臭ということになります。20代~50代の男女を対象にした調査によると、汗臭さや加齢臭を抑えて、口臭は気になるニオイの第1位になっています。
しかも、自分の口臭は77.8%、他人の口臭となると82.0%もの人が、気になっていることがわかりました。こんなにも多くの人が気にする口臭ですが、他人の口臭はなかなか指摘できるものではありません。かなりの人が気になるけど、我慢している辛い状況があると考えられます。
口臭が発生するしくみは、細菌の分解
強いニオイのものを食べたわけではなく、口内の汚れも病気もないのに、口臭が発生するのはなぜかと思ったことはありませんか。それは、口臭が発生するしくみに原因があります。
歯や舌の表面、唾液中など、もともと口の中には何億もの細菌が住んでいるといわれています。細菌が、新陳代謝で剥がれ落ちた歯茎や舌などの粘膜上皮や血球成分、食べカスといったタンパク質成分を分解することで、口臭の原因物質を作り出すと考えられています。
口臭の主な原因物質は、揮発性硫黄化合物で、その代表が卵が腐ったようなニオイの硫化水素、魚や野菜が腐ったようなニオイのメチルメルカプタン、生ゴミのようなニオイのジメチルサルファイドというガスです。これらが混ざり合ったのが口臭なので、不快に感じるのは当然のことだといえるでしょう。
口臭が強くなる時間:モーニグプレス
口臭の臭いは、生活リズムや食事などによって、1日の内でも強くなったり弱くなったり変化しています。臭いが最も強く値を示すのが、起床時や食事前だといわれています。起床直後の目覚めの口臭は「モーニングブレス」ともいわれ、誰にでも起こる強い口臭として知られています。
朝、起きたときの口の中のネバネバや、不快感などがある場合には、何らかの口臭が発生しているかもしれません。なぜ、目覚めの口臭が強くなるのかというと、睡眠中に唾液の分泌量が減り、歯周病菌、むし歯菌など、さまざまな細菌である嫌気性細菌が繁殖を繰り返し、増殖します。
そして、口の中に食べかすや舌の汚れが残っていると、口の中の汚れ成分を嫌気性細菌が分解し、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物をたくさん作るため、ニオイが強くなるのです。
目覚めの口臭では、揮発性硫黄化合物の中でも、硫化水素の濃度が特に高くなることから、硫黄のような、すえたにおいがするといわれています。目覚めの口臭は、口の中の細菌や汚れ、唾液量によって変化します。少しでもさわやかな朝を迎えるためにも、日々のケアが大切です。
まずは、細菌の増殖が始まる直前、つまり、寝る前に歯を磨くことで歯垢や汚れを取り除き、ニオイのもととなる細菌を減らすことが重要なカギとなります。
口臭の問題点としての、イジメ
口臭の問題点として、本人ではなかなか気付かないということになります。それでも、大人の場合は口臭のある他人がいても、それを本人にはあえて言わなかったり、特に至近距離でないために、口臭を感じないことも多いと思います。
しかし、子供の場合には、遊んでる最中に至近距離で話したり、じゃれたりするために、どうしても他人の口臭に気づくようになります。
そうすると、子供は、他の子供に対しても悪気はなく、口臭があると言ったりしてしまうものであり、それが問題となり、イジメに発展することもよくあるといわれています。
実際に、口臭からイジメに発展して、引きこもりになってしまう事例もあるといわれているため、特に、子供の口臭に気付いたら、早めに口臭外来などで治療することが望ましいでしょう。
口臭が引き起こす人間関係・健康トラブル
口臭は、子供の世界だけでなく大人の世界においても、人間関係などにトラブルを引き起こす場合があります。子供でもイジメになるように、大人においてもイジメとはならないまでも、口臭について指摘しただけで、人間関係がこじれる原因になるといわれています。特に、女性の場合には注意が必要でしょう。
また、人間関係のトラブルだけではなく、口臭は肺や胃腸、肝臓などの、危険な病気が原因で引き起こされている場合もあるため、健康面のトラブルもとても心配なところです。そのため、自分の口臭に気付いた場合には、医師の診察を受けることが望ましいでしょう。
口臭の原因物質は、何かが腐った臭い
口臭の原因物質については、名前は知らない人もいるとは思いますが、その内容を聞けば、すぐにみなさんも感じたことのある臭いだと、分かるとおもいます。また、その物質には、化学的なメカニズムがあり毎回同じ臭いを放つようになっていますので、1つずつ原因物質をみていきましょう。
硫化水素:卵の腐った腐卵臭
硫化水素というガスを、皆さんは知っていますか。生理的口臭のガス成分の中で、一番割合が多いガスがこの流会水素だといわれています。一般に、この臭いが、口の臭いの代表と考えられています。硫化水素は、卵が腐ったような「腐卵臭」を出すことで有名です。
このガスは、悪臭防止法に基づく、特定悪臭物質にも指定された悪臭を放つガスなのです。硫化水素は、水によく溶け酸性を示すため、虫歯の原因になります。さらに、口内に硫化水素が存在することが、歯周病の原因の一つになる事も、最近ではわかってきました。
臭いの強い物質なので、発生すれば最初はすぐに気付くのですが、困ったことに、すぐに鼻は麻痺するともいわれています。
メチルメルカプタン:野菜や魚の腐った臭い
メチルメルカプタンも、口臭原因物質としては代表的な物質です。歯周病の人の口の中から、メチルメルカプタンが多く検出されることがわかっています。歯周病の原因となる細菌が、メチルメルカプタンをたくさん放出するためです。
メチルメルカプタンの臭いは、野菜や魚の腐った臭いだとよくいわれます。特に、多いのが腐ったタマネギのような臭い、腐ったキャベツのような臭いに例えられています。
アンモニア・トリメチルアミン・硫化水素とともに4大悪臭の一つになっていて、トイレのニオイ・生ゴミのニオイなど、生活の中のイヤな臭いの主成分にもなっています。
ジメチルサルファイド:生ゴミ臭
ジメチルサルファイドも、口臭の原因物質として知られています。ジメチルサルファイドは、生ゴミに似た悪臭がする成分です。
ジメチルサルファイドの場合は、新陳代謝で剥がれた粘膜上皮やタンパク質成分が分解されて、揮発性硫黄化合物となるもので、食事をしたあと分解される時にも作られるため、胃や腸の中から臭いが出たりします。
口臭測定器で、ジメチルサルファイドの割合が目立っているときは、肝臓の病気が疑われるということなので、口臭が生ゴミの臭いを放っている時は、肝機能の状態を検査した方が良いかもしれません。
寝起きの口臭などの、生理的口臭であればまだ安心できますが、ジメチルサルファイドなどが増して、発生する口臭は健康面が心配なので、医師の診断を受けることが望ましいでしょう。
一人で簡単に口臭のチェックをする方法
口臭があるかないかを、他人に聞くのは勇気がいることですよね。でも、口臭を自分だけでチェックする方法は、いっぱいあります。まずは、他人や歯科などに行く前に、これから説明する口臭のチェック方法を実践してみてください。
舌の色を確認する:舌苔を磨く
口臭のチェック方法として、まずは舌の色を確認することがあげられます。健康な人の舌はピンク色をしていますが、舌の中央に白い苔のような物がつくことがあります。これは細菌の塊で、舌苔と呼ばれ、口臭の原因となります。その他にも、口の中がネバネバして、変な味がする場合もあります。
特に舌苔は、口臭の大きな原因だといわれています。舌の表面の角質がなんらかの原因で伸びて硬くなり、その隙間に細菌や汚れが溜まり、舌が白く苔が生えたように見えます。
舌苔の原因は細菌や口呼吸、消化器系の疾患などがありますが、原因が不明なことも多くあります。舌苔自体を治療する必要はなく、口臭の原因として舌苔が考えられる場合は、舌ブラシで舌を磨きます。
デンタルフロスでとったプラークをチェック
口臭チェックとしては、デンタルフロスによる確認も重要です。まずは、通常どおり歯と歯の間にデンタルフロスを通します。そして、デンタルフロスに付着した、プラ-クの臭いを嗅いでみましょう。悪臭を感じたら、それは口臭のサインです。デンタルフロスは、口臭予防に欠かせないアイテムです。
歯垢の付く場所は、歯と歯の間の隙間だといわれています。そういう場所には、食べカスや歯垢が多く残ります。口臭が気になっている人は、日常的にデンタルフロスを使用するようにしてみてください。それだけでも、気になっていた口臭が改善されるかもしれません。
もちろん、デンタルフロスだけでなく、歯ブラシやつまようじなどでも代用はできます。また、プラークは、その原因となる歯の付近でなくては意味がないので、いろいろな箇所の歯垢を取ることがよいでしょう。
マスクを付けて、自分で臭いチェック
自分の口臭を確認する方法として、マスクをして、その中で息を吐き、自分で吸う方法があります。しかし、この方法は、口臭が強くなっている場合には効果的ですが、口臭がそれほど強くなっていないのであれば、わからないことが多いといわれています。
その他にも似たような方法としては、コップや袋に息を吹きかけ、逃げないように閉じ込めます。一度新鮮な空気を吸い直してから、改めて閉じ込めた息の臭いを嗅いでみましょう。起床時や食事後など、条件によって臭いは変化しますので、状況を変えて何度か試してみるといいでしょう。
口臭チェッカーなどの測定器を使う
自分の鼻の感覚に自信がない場合には、器具に頼るという方法もあります。タニタなどから発売されている口臭チェッカー(ブレスチェッカー)は、最近ではとても精度が高く、口臭のセルフチェックとして活用できるといわれています。
注意すべき点は、口臭チェッカーは、あくまでもニオイの強さを測るもので、口臭のニオイが判定されるわけではないこと。つまり、歯磨き粉の香りや、食べ物のニオイも測定されるということです。
歯みがき直後に測って、口臭が強めに判定されても、口が臭いということにはなりません。口臭チェッカーを使用する前に、説明書をよく読むことが望ましいでしょう。
口臭チェックリストを試す
口臭の確認の方法としては、口臭チェックリストを作り、試すことも大事です。口臭の可能性をチェックすることができます。
チェック項目としては、食事内容に偏りがある、ニオイの強いものを好んで食べる、胃腸が弱い、虫歯がある、歯磨きの際よく歯茎から血が出る、歯を磨かない事がある、舌が真っ白、常に口の中がネバネバしている、口の中が乾燥しやすい、口臭に関して指摘された事があるなど、多岐にわたっています。
口臭予防対策と生活習慣の改善
口臭を予防する方法は、普段の生活のあらゆる場面で登場してきます。それは、口の中のことだけでなく、体全体における行動もさることながら、精神面の管理もとても重要になってきます。それでは、口臭予防のための生活習慣をみていきましょう。
何はともあれ歯磨きを徹底する
口臭の予防方法としては、何はともあれ、とにもかくにも、歯磨きです。歯に食べ残し、食べカスがついていることは口臭だけではなく、虫歯や歯周病にもつながり、最終的に口臭になる原因を増やしていることになりますので、歯磨きは徹底してください。
また、朝晩の歯磨きを行っている人は多いかもしれませんが、ランチやおやつの後の歯磨きも、徹底することが大事です。何かを口に入れた後には、歯磨きをすることが望ましいでしょう。
寝起きのタイミングが、一番効果的だという説もありますが、それだけでは不十分で、就寝時の唾液の減っているタイミングも、歯周病などの原因になるので、夜の歯磨きもとても重要です。
舌を綺麗に保つ:舌専用クリーナを活用
舌は、口の中で大きな面積を占めています。食べたり、飲んだりするとこの舌の表面に付着し、口臭の原因になっていますので、舌を綺麗に保つことは、口臭対策としては大変有効であると考えられます。
舌をみがく際には、歯ブラシなどでゴシゴシみがくのではなく、市販の舌専用クリーナーを購入してみがきましょう。舌には、表面に味を感じる味蕾という器官がたくさんあります。
これを、ゴシゴシみがくことで傷つけてしまうと、味を感じなくなる可能性がありますので、なるべく市販の舌専用クリーナーを使用することが望ましいでしょう。
臭い玉を除去する:ハンディ・クラウン
口臭の原因となっている臭い玉を除去することも、口臭予防としては最適です。また、臭い玉を取る方法としては、歯科で取ることが無難ですが、自分でも取る方法があります。それは、水圧で取るという方法です。
綿棒やピンセットで取る方法などもありますが、扁桃腺は非常に敏感ですので、リンパ腺を傷付ける危険性が高いです。
安心して取り除くには、水を使うのが効果的であり、市販でもハンディ・クラウンという商品は、ノズルが曲がっていて口内の奥深くまで入りやすく、臭い玉に水を当てることができます。自然に咳をして、取れることもありますが、水を押し当てる方が効果的に取れるでしょう。
唾液を出す:ガムは万能品
最近は、やわらかい食べ物を食べることが多くなり、あまりよく噛む食べ物が少なくなってきているように思います。実は、よく噛んで食事をすることは、口臭予防に大変効果があります。それは、噛むことで唾液の分泌が促されるからです。
唾液は、口臭の元となる汚れや細菌を洗い流してくれる、自浄作用や抗菌作用があり、歯周病、虫歯を予防する効果もあります。また、ドライマウスを防ぐこともできますので、そういった面での口臭予防対策にも、効果があると考えられます。
特に、オススメなのがガムをかむことです。ガムをかむと、唾液の分泌量が増えます。これによって、低下した唾液の分泌量を改善する効果があると考えられます。また、ガム自体の香りによって、口臭を予防する効果も合わせてある可能性があります。
現在、口臭外来の口臭測定器でも、効果があるとされている「ブレスコントロールガム」というガムがあります。非常に硬いガムですが、一般的なガムと比べると、かむたびに唾液が多めにでて、より多くの殺菌効果があるといわれていますので、このガムをかむことで、より口臭予防につながる可能性があります。
朝食を食べる:胃からでた異臭
朝食をちゃんと食べることも、朝のもっとも口臭のひどくなる時間に対して、効果的です。朝食を抜くことで、口臭予防ができると考えている人もいますが、むしろ朝食を抜けば、かえって口臭がひどくなります。空腹の状態が続くと、すい臓で作られるすい液が、胃で分解され始めます。
すい液が胃の中で分解される際、独特の異臭が出ます。胃から出た異臭が、食道を逆流して口へと出やすくなるため、口臭の原因になります。
臭いのキツい食材を避ける:16時間は持続
臭いのキツい食材を避けることも、口臭を予防するのに最適だといわれています。特に、ニンニクやニラに含まれる悪臭成分は、胃で消化された後、血液によって、体内をめぐります。そして、汗として排出されると体臭となり、肺を通じて息として排出されると口臭となります。
ほとんどは、時間の経過とともに臭いは弱りますが、完全に臭いが消えるまでには、16時間かかるといわれています。大事な人と会う前の日の夕食は、できるだけ臭いの強くないものを選ぶことが望ましいでしょう。
水分を摂る:排尿、汗をかくことも大事
水分補給は、唾液の分泌量が低下した口の中を潤すのに、効果的であると考えられます。口の中が水分で潤うことで、低下していた唾液の分泌も促進され、唾液の殺菌力で、口臭のもととなる細菌の増殖を、抑えることができると思われます。
ただし、補給する水分は、お茶か糖分の含まれていない飲料が望ましいでしょう。糖分は、虫歯の原因にもなる可能性があります。虫歯ができると、口臭がきつくなってしまう可能性がありますので、糖分の含まれているジュースなどは、控える方が望ましいでしょう。
また、血液中に溶け込んだ悪臭成分は、水分と一緒に排出できます。水分を十分に摂って頻繁に排尿し、全身の水分と入れ替えましょう。お風呂でじっくり汗をだすことも、いい方法だといわれています。
カフェインを摂らない:ドライマウスを防ぐ
コーヒーなどのカフェイン含有飲料です。カフェインには強い利尿作用があるため、体から水分が余計に出て行ってしまいます。さらに、カフェインは興奮成分として知られているように、交感神経を活発にする働きがあります。
交感神経が優位になると唾液の分泌量が減り、ネバネバした唾液が増えてマイナス効果になります。そして、唾液分泌量が減ることにより、ドライマウスの原因になることもあり、ますます口臭にとってはマイナスなので、カフェインは摂らないようにしましょう。
ストレスをためると口の中ネバネバ
緊張したり、いらいらしたり、悩みごとなどからストレスがあると、交感神経を刺激するので、口の中がネバネバしたりカラカラと乾いてしまいます。心配など悪い感情が起きることが多いようでしたら、その感情こそが、唾液を出さなくしてしまっている原因です。
ストレスを感じると、唾液の分泌が通常時の3割減るといわれています。唾液の分泌のメカニズムとしては、意識とは関係なく、切り替わる自律神経によりコントロールされています。ストレスがかかった状態では、自律神経である交感神経と副交感神経のうち、交感神経が優位となり、唾液分泌が抑制されます。
唾液には、口腔内をキレイにし、雑菌を殺菌する効果がありますが、唾液分泌が少なくなり口の中が乾くと、雑菌が繁殖するため口臭が発生しやすくなってしまいます。つまり、ストレスを感じ続けると自律神経が乱れて唾液の分泌が減少し、その結果としてドライマウスになってしまう可能性もあります。
ストレスのない生活が、大事だともいえるのです。明るく振る舞い体を動かすと、リラックス状態をつくるので、唾液も出るようになりますので、運動などでストレスを発散しましょう。
規則正しい生活をおくる:糖尿病
口臭予防には、規則正しい生活をおくることも重要です。生活が乱れることで、生活習慣病になってしまうことがありますが、直接口臭と関係があるのが糖尿病で、多くの人がかかっているのにもかかわらず、完治することがないという、実は怖い病気もあります。
血糖値の上昇などから、食事制限もしなくてはならないことになりますが、そのときに、糖尿病独特の口臭も存在します。また、生活が乱れても歯磨きだけは、きちんと行なうという方も少ないでしょう。
そこで、むし歯や歯周病による口臭、疲労した体で肝臓の低下による口臭など、さまざまな形での口臭が出てきますので、規則正しい生活はとても大事です。
歯科、口臭外来の専門家による治療や指導
口臭の原因のほとんどは、口の中にあります。歯みがき、舌みがき、水分補給などで、生理的な口臭をケアしても改善しない場合は、病院で診察を受け、その原因を調べたほうが良いでしょう。
口臭治療のために病院へ行く場合には、虫歯などの口の中の病気の有無から調べることをオススメします。まずは、最初に歯科医院、口臭外来の診察を受けましょう。
口臭を予防するアイテムとうがい方法
口臭には、なんといっても歯磨きをすることや、健康面を整えることが大事ではありますが、その一方で、飲料や食べ物、サプリメントなどで、早急に効果を発揮する改善方法もありますので、先に述べた生活習慣の改善ととともに、実践していくとより、効果が期待できると考えられます。
口臭を予防する「なた豆茶」
最近知られはじめている、なた豆茶が口臭予防の飲料として注目されています。なた豆茶とは、なた豆といわれる「さやえんどう」を巨大にしたような形の豆を、健康茶にしたものをなた豆茶と呼んでいます。
さやえんどうを巨大にしたというと、ちょっと大袈裟に思われるかもしれませんが、実際になた豆は、大きいもので70cm以上になることもあるぐらいの大きな豆です。
最近の研究で、なた豆に含まれるカナバニンという成分が、口臭予防に良いということが分かり、口臭予防の歯磨き粉やお茶として、一般的に広まるようになったのです。
なた豆に含まれるカナバニンという成分には、体の中に溜まってしまった膿を出してくれる排膿効果と、炎症を抑えてくれる抗炎効果があり、蓄膿症にとても有効的です。
また、なた豆の排膿効果と抗炎効果は、蓄膿症だけに有効なのではなく、歯周病や歯槽膿漏など歯茎に溜まった膿も出してくれて、歯茎の炎症も抑えてくれるということが分かっています。
歯周病や歯槽膿漏などによって発生してしまう、口臭の予防に良いということになって、なた豆茶は口臭予防に良いお茶として広まってきています。
口臭を予防するりんご:消臭効果と整腸作用
すごく身近な食べ物である、りんごも口臭予防の食べ物として知られています。りんごに含まれているポリフェノールには、消臭効果があります。食べかすや歯垢などが原因で、口臭が発生している場合には、りんごを食べることで口内の消臭をしてくれます。
また、りんごの皮の部分にポリフェノールが多く含まれているので、皮ごと食べると効果は大きいでしょう。りんごには食物繊維が含まれていて、強い整腸作用があります。この食物繊維が口臭予防に効果的な働きをします。
食物繊維は、腸内の有毒物質を体外に排出してくれる働きがあり、口臭の原因となる臭い物質も同様に体外に排出してくれます。なので、体内に取り込まれた臭い物質が、肺を通じて口臭となっている場合、りんごを食べると口臭予防対策になります。
重曹うがい:虫歯予防、ホワイトニング
単なるうがいでも効果はありますが、重曹うがいを行うと、とても口臭に対して効果があります。重曹うがいは、口内環境に3つのメリットがあるといわれており、虫歯予防やホワイトニング、口臭改善に効果があります。
重曹うがいのやり方は、とても簡単です。口に重曹水を含んで「くちゅくちゅ」と、口全体に重曹の成分が行き渡るように行なって下さい。うがいの目安としては、30秒くらい続けます。喉をガラガラとするような方法では、効果が薄れてしまうので注意しましょう。
また、重曹うがいの頻度としては、1日3回を目安に行いましょう。重曹うがいは、頻度や重曹水の濃度が高ければ高いほど、口臭予防の効果が上がるというものではありませんので注意しましょう。過度な重曹うがいは、逆に歯肉などを傷つけますので気をつけましょう。
サプリメント:「臭ピタッ!」「薔薇の滴」
口臭対策として発売されているサプリメントの多くは、口臭の根本原因となる細菌や酵素、臭い成分や体内で起こる化学反応などを抑える効果はありません。
サプリメントに含まれた、成分自体の香りによる消臭効果や血流循環機能、新陳代謝、粘膜保護など、体内の機能を部分的に補うことで口臭を改善しようというものがほとんどです。
種類も豊富で香りタイプ、歯周病予防タイプ、消臭タイプ、体内環境を整えるタイプなどがあります。ランキング上位のものとしては、「臭ピタッ!」「薔薇の滴」「楽臭生活」などがあげられ、それぞれの特徴に応じて使い分けることが望ましいでしょう。
その他の口臭予防のアイテム
飲料や食べ物、サプリメント以外にも、口臭予防のアイテムはいろいろあります。歯磨き粉やタブレットもありますが、ここで注目なのが、キャラメルなどで有名なグリコです。
そんなグリコが、口臭ケアに着眼して開発したのが、タブレット菓子のブレオです。お菓子というよりも、口臭予防に効果がある、口臭ケアタブレットとしてのイメージを持っている人が多いと思います。
ブレオは現在、スタンダートのブレオ、マイクロカプセル配合のブレオスーパー、ドロップタイプのブレオドロップ、アクチニシン配合のブレオゼット、泡の効果で口内をきれいにするブレオジェットの5アイテムがラインナップされています。
いずれも、口臭予防に効果のある、キーウィの成分が入っているのが特徴です。
口臭予防には、日々の努力が大切
口臭予防について、いろいろな方法を解説してきましたが、どれも何かあったら行うというよりは、普段の日常生活から取り入れていかなければいけないものばかりです。歯磨きについても同様ですが、毎日毎日の積み重ねで口臭は改善していくものですので、日々、口臭予防のために努力するように努めましょう。
また、必ず口臭は改善するので、少しずつ生活習慣を改善していきましょう。急な口臭改善が必要な時には、重曹うがいやタブレットなどで対応していきましょう。
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